注文住宅のつなぎ融資とは?押さえておきたい基礎知識やデメリットなどを解説
2024.05.02
理想の注文住宅を手に入れるために避けては通れないのが資金計画です。
特に建築期間中の資金繰りは、多くの人にとって大きな悩みの種となります。
そんな時に役に立つのがつなぎ融資。建築中の一時的な資金調達に役立つつなぎ融資ですが、実際に利用する前にその仕組みやデメリットなどをしっかりと理解しておきたいものです。
そこで今回は、「そもそもつなぎ融資とは?」といった疑問から、知っておきたいつなぎ融資のデメリットなどについて詳しく解説していきます。
つなぎ融資とは
つなぎ融資は、注文住宅の建築期間中に発生する費用をまかなうために、一時的に借り入れる融資のことです。
つなぎ融資は建築費用の支払いに直接使用されます。住宅が完成し、本格的な住宅ローンの契約が行われるまでの「つなぎ」として利用される融資です。
つなぎ融資を利用することで、建築期間中の資金不足を解消し、スムーズない家づくりを実現できます。
つなぎ融資のデメリット
住宅ローンを組むまでの間の資金調達に使えるつなぎ融資ですが、いくつかのデメリットがあることも押さえておきましょう。
つなぎ融資の主なデメリットは以下の3つです。
- 金利が割高になる
- 利用期間が長くなると利子分の支払い負担が増える
- 取り扱いのない金融機関がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金利が割高になる
つなぎ融資のいちばんのデメリットは、金利が比較的高めに設定されている点です。
一時的な融資であるつなぎ融資は、通常の住宅ローンに比べると金利が高くなりがち。この高い金利が返済総額を増加させる原因になります。
利用期間が長くなると利子分の支払い負担が増える
注文住宅の建築は予定通りにいかないこともしばしば。資材が間に合わなかったり天候が悪かったりといった理由で完成が遅れることは少なくありません。
住宅の完成が遅れると、それだけつなぎ融資の利用期間が長引くことになり、利子分の支払い負担額も大きくなってしまいます。
取り扱いのない金融機関がある
全ての金融機関でつなぎ融資が利用できる訳ではありません。取り扱いのない金融機関があることも覚えておきましょう。
自分が利用しようと考えている金融機関がつなぎ融資を取り扱っていない場合、他の金融機関を探したり、つなぎ融資が利用できなかったりという可能性があります。
つなぎ融資の借入から返済までの流れ
実際につなぎ融資を利用する際の、借入から返済までの流れを紹介します。
- ハウスメーカー・土地探し
- 金融機関探し
- 住宅ローン・つなぎ融資の審査
- つなぎ融資で土地代などの支払い
- 住宅ローン本融資・つなぎ融資一括返済
項目ごとに詳しく見ていきましょう。
1.ハウスメーカー・土地探し
注文住宅の購入を検討し始めたら、まずはハウスメーカーや土地を探します。
同時に資金計画を立てておくと、その後の見積もり作成などがスムーズです。
2.金融機関探し
つなぎ融資が利用できる金融機関を探しましょう。
金利や手数料、取り扱っている住宅ローン商品などについて調べ、いくつかの金融機関を比較検討します。
金融機関ごとに取り扱っている商品が違うので、商品の内容や特徴をしっかりと確認し、後悔のない選択をしましょう。
3.住宅ローン・つなぎ融資の審査
利用する金融機関が決まったら、所得証明書や建築プランを提出し、住宅ローン本審査とつなぎ融資の審査を受けます。
4.つなぎ融資で土地代などの支払い
つなぎ融資の審査が通ったら、つなぎ融資で借り入れたお金で土地代や着工金、中間金などをハウスメーカーに支払います。
5.住宅ローン本融資・つなぎ融資一括返済
注文住宅が完成し、引き渡しが行われたら、住宅ローンの本融資が実行されます。
住宅ローンで融資された資金でつなぎ融資を一括返済します。
注文住宅でつなぎ融資が不要なケース
つなぎ融資は、注文住宅の建築に必ず必要な訳ではなく、中には不要であるケースも。
自己資金が豊富にあり、建築費用を全額自己負担で賄えるケースや、建築会社が完成後の支払いを受け入れているような場合には、つなぎ融資を利用する必要がありません。
そのほかにも、金融機関によってはつなぎ融資が不要な住宅ローン「分割融資」を提供している場合があります。
複数回に分けて融資を実行できる分割融資なら、住宅ローンのみの契約で済むので、つなぎ融資を利用する必要がなくなります。
つなぎ融資と分割融資の違い
分割融資とは、建築費用を複数回に分けて融資する方法で、住宅建築の進行状況に合わせて段階的に資金を借りることができます。
これに対し、つなぎ融資は建築期間中の住宅ローンを契約する前に資金を一括で借りる点が異なります。
分割融資は、必要な資金だけを借りることができるため、利息の負担を最小限に抑えることができます。
しかし、分割融資の場合、各段階での融資承認が必要となり、手続きが複雑になる可能性があります。
まとめ
注文住宅を建てる際の資金計画において、つなぎ融資は一つの選択肢。自己資金がなくても本格的な住宅ローンを組むまでの間の「つなぎ」の資金調達方法として多くの人が利用しています。
しかし、その利用には、金利の高さや利用期間の長期化によるデメリットがあることも頭に入れておきましょう。
つなぎ融資が不要なケースや、分割融資との違いなどを理解しておくことで、効率的で経済的な資金計画を建てることが可能になります。
資金計画は、家づくりの成功を左右する重要な要素です。慎重に検討し適切な選択をしましょう。