無理なく注文住宅を建てるために必要な年収は?ローンの負担を減らす方法や購入費用を抑えるポイントも
2024.05.24
注文住宅を建てるとき、最も気になるのがお金のこと。
「今の年収でローンを組んでも大丈夫かな?」
「どのくらいの年収があれば無理なく返済していけるの?」
「そもそも注文住宅を建てるのにいくらの年収が必要?」
このような疑問を持っている人は意外と多いものです。そこで今回は、注文住宅を建てるために必要な年収について詳しく解説。
年収別に建てられる注文住宅のイメージも紹介しているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。
無理なく注文住宅を建てるために必要な年収とは
無理なく注文住宅を建てるためには、どのくらいの年収が必要なのでしょうか。
まずは、注文住宅を建てた世帯の平均年収とローンの年間返済額の平均について見ていきましょう。
注文住宅を建てた世帯の平均年収は約800万円
国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査によると、注文住宅を建てた人の平均年収は約800万円でした。
一見高いように感じますが、割合で見ると、年収600〜800万円の人が最も多く、約26%という結果に。
また、次に多いのが年収400〜600万円で22%です。割合は少ないものの、400万円以下で建てたという人も約11%います。
調査の結果から、うまくやりくりすることで年収が400万円以下でも注文住宅を建てられることがわかります。
住宅ローンの年間返済額の平均は174万円
注文住宅を購入した世帯の住宅ローンの年間返済額の平均は174万円。月にすると、約14万円ほどを返済に充てる計算です。
世帯年収に占める返済負担率の平均は、約16%です。
【年収別】建てられる注文住宅のイメージ
今の年収でどのくらいの価格の注文住宅が購入できるのかの参考になるのが「年収倍率」です。
年収倍率とは、購入者の年収と購入価格の比率を表した数値のこと。『購入価格÷年収』の計算で求められます。
住宅金融支援機構の令和3年度フラット35利用者調査によると、注文住宅の年収倍率は6.8倍です。
つまり、年収が300万円ほどの場合、2,000万円前後が購入価格の目安となる計算です。
この計算方法をもとに、年収別に建てられる注文住宅のイメージについて見ていきましょう。
- 年収300〜400万円台
- 年収600万円台
- 年収700万円以上
以上の3つに分けて解説していきます。
年収300〜400万円台
年収300〜400万円台の場合、購入価格は2,000〜2,700万円が目安です。
2,000万円台の注文住宅は、理想のメリハリをつけることが大切。ある程度の妥協も必要でしょう。
予算内に抑えるためには、こだわる部分とそうでない部分を事前に決めておきましょう。
せっかくの注文住宅だからとこだわりすぎると、あっという間に予算オーバーしてしまうことも少なくありません。
希望条件に優先順位をつけておくことが大切です。
年収600万円台
年収が600万円台なら、4,000万円の注文住宅の購入も可能です。
4,000万円の予算があれば、さまざまなプランが実現できます。
家の形をコの字型にしたりビルトインガレージを作ったりといったプランを実現することも。
コストがかかりがちな無垢や漆喰などの自然素材も取り入れられる価格帯です。
年収700万円以上
年収が700万円以上であれば、5,000万円ほどの注文住宅の購入も可能でしょう。
5,000万円の予算なら、高い吹き抜けや広々としたリビング、開放的な大開口の窓など、こだわりを詰め込んだ理想の注文住宅を叶えられるでしょう。
高性能な防犯設備や、高いグレードの住宅設備も取り入れられます。
住宅ローンの負担を減らす方法
注文住宅を購入する場合、多くの人が利用するのが住宅ローン。返済の負担を少しでも減らしたいと考える人も多いです。
住宅ローンの負担を減らす3つの方法を紹介します。
- 頭金を用意してから購入する
- 繰上げ返済や借り換えをおこなう
- 資金援助を受ける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
頭金を用意してから購入する
月々の返済額を抑えたいなら、購入前に頭金を用意しましょう。ローンの返済総額が減り、月々の負担も軽くなります。
金融機関によっては、一定の自己資金を用意しておくことで、金利の優遇を受けられることもあります。
ただ、手元にある資金を全て頭金として使ってしまうのは危険。急な出費に対応できるだけの資金を手元に残したうえで、頭金としていくら用意したらいいかを検討しましょう。
繰上げ返済や借り換えをおこなう
住宅ローンの返済負担を減らすためには、購入後のローンの見直しをすることも大切です。
ボーナスが支給され、金銭的な余裕がある場合などに繰上げ返済を利用するのもひとつの手と言えるでしょう。
金利条件のいい住宅ローンへの借り換えという方法も。ローンは借りて終わりではなく、定期的な見直しをして賢く利用しましょう。
資金援助を受ける
住宅購入時に意外と多いのが、親や祖父母からの資金援助です。
親族からの援助は贈与にあたるため、本来であれば贈与税という税金がかかります。しかし、住宅購入に関する贈与の場合、一般的な新築住宅で500万円まで非課税になる制度があります。
さらに、耐震性や省エネ性能に優れた住宅を建てる場合には、1,000万円までが非課税になります。
この制度を活用して、親や祖父母からの資金援助を受けられないか相談してみるのもひとつの方法です。
※住宅取得等資金の非課税措置は2026年末まで。
年収が低くても大丈夫!注文住宅の購入費用を抑える方法
年収が低くても注文住宅を建てたいと考える人も少なくありません。
そこで、注文住宅の購入費用を抑えるポイントを2つ紹介します。
外観をシンプルにして建築費用を抑える
住宅の外観は複雑になればなるほど建築費用がかかる傾向にあります。
凹凸の多い外観の場合、それだけ建物の表面積が大きくなるため、外壁材も多く必要になります。
施工も複雑になるため、建築に期間がかかってしまい、その期間分の人件費も多くかかってしまいます。
できるだけ外観をシンプルなデザインにして建築費用を抑えると良いでしょう。
土地代を抑える工夫
土地代を抑えることで、購入費用を抑えられます。
「どうしても正方形の土地がいい」「絶対にこの土地でないと」などのこだわりがないのであれば、価格の安い土地を検討してみるのも良いでしょう。
駅から少し離れた位置にある土地や、三角地や旗竿地のような変形地であれば、比較的安く購入できます。
まとめ
注文住宅を建てるために必要な年収について詳しく解説しました。
注文住宅を建てた世帯の平均年収は800万円ほどですが、年収が300万円台であっても、工夫次第で注文住宅を建てられます。
予算内で無理なく注文住宅を建てるために、事前に頭金を用意したり購入する土地が安く抑えられないか検討したりといった工夫をしてみると良いでしょう。
うまくやりくりをして、理想の注文住宅を叶えてみてくださいね。